「風邪」が病名ではない理由
[ 2017-10-03 13:08:20 ]
誰もが風邪は「風邪」という病気だと思っています。しかし実は「風邪」という名前の病気はないということをご存知でしょうか? 風邪は正確には「風邪症候群」と呼ばれ、呼吸器系に起こる急性炎症の総称であり、正確には病名ではありません。
一般的に「風邪」と呼ばれているのは「普通感冒」というのが正式な病名です。ライノウイルスなど、感染力がさほど強くないウィルスに感染して起こります。一方で感染力の強いウィルスによって起こるのが「流行性感冒」です。インフルエンザなどがこれにあたります。
普通感冒も流行性感冒も、風邪症候群の一種なのです。つまり「風邪」という病気はなく、風邪のような症状を持つ疾患全体をさす言葉ということです。インフルエンザも風邪ということになりますね。何だか納得がいきませんが、少なくとも医学的にみるとそういうことになります。
とはいえ、一般的には普通感冒=風邪と認識されていますので、そのままの認識でも問題はないでしょう。医師がカルテに「風邪」という病名を書くことはなく、「上気道炎」「扁桃炎」「インフルエンザ」などと具体的な「風邪症候群」に含まれる病名を書く、というだけの話です。
ただ、医師に「風邪」と「診断されなかったからといって、一般的に言う風邪とは別の病気であったというわけではないのです。